皆様は小説の「ネタバレ」についてどう思いますか?
有り派?無し派??
これ読書垢界隈では時にセンシティブな議題にもなり得ると思うのですが、
私は現在、「場合によってはある程度(かなりの程度)有りなのではないか?」と検討している途中派です。
- 朝井リョウさんのインタビュー動画からネタバレについて考えた
- そもそもネタバレとはどの範囲なのか、ネタバレの定義
- 朝井リョウ作品はある程度のネタバレに向いているのでは
- 「事前情報何も無しで読むべき小説」も存在する
- ネタバレの需要について
朝井リョウさんのインタビュー動画からネタバレについて考えた
作家・朝井リョウさんのインタビュー動画が面白くてそこから「ネタバレ」について考えを巡らせてしまったのです。
朝井リョウさんの新刊『イン・ザ・メガチャーチ』に関するインタビュー動画です。
※動画内で朝井リョウさんがネタバレをしているとか、ネタバレについて語っているというものではありません
私はまだ未読なのですが、この動画を見て「これは読みたい」と思わされました。
過去にも朝井リョウ作品を2作読んだ経験があり(『正欲』と『何者』)、今回視聴した動画も合わせて私の中に「朝井リョウ作品像」が出来上がりつつあります。
「これはアレや……またしても唸りながら考えてしまうヤツや……」
実際には『イン・ザ・メガチャーチ』はまだ未読なので、妄想の範囲なのですが。
動画内ではネタバレにならない範囲で登場人物についてや執筆の意図などが語られています。
そもそもネタバレとはどの範囲なのか、ネタバレの定義
「ネタバレ」がセンシティブなのは多分このせいなんだよ、と思わざるを得ないのです。
その答えは
人によって違う
そして更には
作品によって違う(※かどうかも人によって違う)
という乱数に乱数を掛け合わせるような複雑な構造をしているような気がする。
それを踏まえるならば、ネタバレに敏感すぎる人はSNS向いてないです。
辞めた方がいいです。
SNSやるなら「ネタバレ」に対するある程度の覚悟が必要というのが私の主観です。
朝井リョウ作品はある程度のネタバレに向いているのでは
読んだことある人に共感してもらえたら嬉しい。
朝井リョウさんの作品は、コンセプトやストーリー等、ある程度知った状態で読むのに向いている気がしているのです。
というか、私の中ではそういうジャンルに分類されているのです。
今回の動画のように、聞けば聞くほど気になって読みたくなるのですね。
そういう意味では他者に紹介しやすいジャンルでもあると思います。
紹介された側が好むか好まないかはまた別ですが。
朝井リョウさんの小説って、読むとなんかモヤモヤするんです。
登場人物の嫌な部分に自分を投影できてしまったり、どうにもならない現実を見せつけられたり、自分としては嫌悪していたはずの立場に、いつの間にか自分が立っていることに気付かされたりするのです。
刺さるというか、刺激されるというか、とにかく自分の中で色々なことを考えて整理しなきゃいけなくなるの、読みながら。
これって結構ハードワークで、私の脳ってそこまで賢くないので、見知らぬストーリーを追いかけつつ同時に内省するって、自分が思うよりも負荷が大きいのです。
ストーリーを追いかけすぎると内省が疎かになるし、内省に傾きすぎるとストーリーが抜けてしまう。
だから事前にストーリーやコンセプトをある程度把握しておくことで、内省に注力するする余力が生まれるのです。
個人的には「刺激を受けて内省に走る」のが朝井リョウ作品の楽しみなので、事前にある程度知るのが◎という結論に至りました。
「ネタバレ」という言葉をもっと正しく使うなら、
朝井リョウ作品は本当に最後の最後、結末というかオチだけが「ネタバレ」に該当するのでは?
それ以外のある程度は、事前に知っていてもなんの問題もなく楽しめる作品なのでは?
と思っております。
ネタバレがネタバレにならないと言うか……(いや、人によるんだけれども)
「ネタバレの範囲」がめちゃくちゃ狭いのですね。
そしてこういう小説は、「何度も読む当たり本」になる可能性を秘めているのも魅力の一つかと思います。
「事前情報何も無しで読むべき小説」も存在する
定期的にブームが到来する仕掛け重視の本とかね。
ミステリーというジャンルも該当するかも。
これらは取り扱いが繊細すぎるんですよ。
何が伏線になってるかわかったもんじゃない。
鈍い私は気づけてないけど、実はこれ伏線だった的なのも絶対あると思うし。
エンタメ小説の中でも、特にエンタメ度が重視されている小説は要注意な気がしています。
初読の時だけ得られる特別な楽しみが用意されている物語とかね。
色々あるよね、思い浮かぶ作品が。
私もあります。
そういう小説も好きです。
そして彼らは「ネタバレの範囲」がめちゃくちゃ広い。
何を言ってもネタバレになりそうな恐怖を感じます。
もうタイトル以外全部ネタバレなのでは?と思うこともあるくらいです。
帯に余計なことが書いてあってイラッとしてしまうこともあるくらいです。
「『〇〇◎(作品名)』読みました。面白かったです。以上!」しか発信できないくらいです。
ただ……
こういう作品て……
当たり外れが激しい気がするんだよな……(ただの余談)
ネタバレの需要について
ネタバレを極端に嫌う人がいる一方で、ネタバレを探しまくる人も結構いるのです。
X(旧Twitter)では嫌う人が目につきやすいですが、ブログを書いていると逆の人が目につきやすいです。
「◯◯◯(作品名) ネタバレ」で検索かける人の多いこと……
私も経験者ですが。
私の知る限りでは3パターンあって、
直接作品に触れずに中身だけ知って済まそうとする場合と、
作品に触れるまで待てなくてとりあえず先に結果を知りたい場合と、
詳細を知って安心してからじゃないと作品に触れられない場合です。
人それぞれ、需要も様々。故にセンシティブ。
ですが一応、私は私なりに線引きしてブログに文章を垂れ流しているつもりです。
それでも、X(旧Twitter)だとほんの少しだけ人目を気にしてしまうのですが。
だって「合わないならフォローするなよ」って言っても意味ないじゃん。
フォローしてないのにTLに出てきちゃう仕様じゃん。
だから私の線引きが合わない人は、遠慮なくミュートしてほしい。私のために。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!