ついに原作を読むときがやってきた。
2年ほど前にアニメを見て面白かったので、ずっと原作が気になっていた。
早く読みたいような、楽しみにとっておきたいような…。
複雑な気持ちも楽しみつつ、ついに『読むぞ』と決断する日がやってきた。
正義とは何か
東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した1枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気が付き!?
いつの間にか事件に呑み込まれていく恐怖
元々、主人公の検事・正崎が追っていた事件は、製薬会社がおこした薬機法違反だ。
糖尿病治療薬『アグラス』の効果を、大学病院に過大報告させた疑い。
探している証拠は、アグラス開発元の製薬会社『日本スピリ』から大学病院への利益供与。
世間からの関心も薄く、死人が出るような事件でもない。
ところが日本スピリからの押収品に、不審な書類が混ざっているのを発見する。
付着しているのは毛髪と、皮膚片と、血痕。
そして紙が真っ黒になるまでびっしりと書き込まれた『F』の文字。
それはアグラスの臨床試験とは無関係の大学病院の、睡眠薬『セイレン』に関する書面であった。
不審に思った正崎は、立会事務官である文緒厚彦を連れて、セイレンの試験責任者である麻酔科医の因幡信を訪ねる。
ところが休暇を取得していた因幡は、自宅で不審な死を遂げていた。
男は、リクライニングチェアの上で、全裸のまま、恍惚の表情で死んでいた。
麻酔死。
自宅に手術用の麻酔器を持ち込み、30時間かけ、快楽に溺れながら死んでいた。
自殺。
状況証拠はどう見ても自殺。
しかし、こんな不審な自殺があるものなのか。
正崎と文緒は『アグラス事件』の捜査から外れ、『因幡の不審死』を調べることになるが、そこから思わぬ事態へと発展していく。
新域構想との関わり
超大規模都市計画。
東京の八王子市、多摩市、町田市、神奈川の相模原市。
この四市を統合し『第二東京』と位置づけ、総合地域として昇華する計画。
市・県・都とは別の、新たに設けられた特殊行政区分《域》。
そしてその新域の、初代域長選挙が世間の注目を集めていた。
表向きはクリーンな新域構想だが、実際には『裏の新域構想』が存在する。
『裏の新域構想』中心人物である野丸龍一郎は、《この日本ではできないことすべて》を新域で実現すると語った。
《国家の実験場》
それが新域の本来の目的だと。
最悪の女
ねぇ、検事さん
正義って何かしら
捜査の末に、正崎はある一人の女に辿り着く。
平松絵見子。二十三歳。
二十四時間以上の聴取にも動じない。
悪を撒き散らすかのような女。
「価値観の違いは認め合うべきですか?」
「当然だ」
「それが相容れない価値観でも?」
「相容れないからといって相手を排斥すべきじゃない。お互いの価値観を知り合い、共存を考えていかなければならない。認め合わなければ最後は戦争だ」
「戦争は駄目ですか」
「当たり前だろう」
「戦争は駄目という人と、戦争が好きという人がいたら、お互いの価値観を認め合って共存すべきですか」
「それは」
平松絵見子が接触した男が狂っていく。
そうして事件は広がり、拡大していく。
彼らはなぜ死んだのか。なぜ自殺したのか。
「サインしましょうか。
調書というのにサインすればいいんですよね。それで私が証言したっていう証拠になるんでしょう?」
「そう、だが。急になぜ」
「だって検事さん、とても可哀想なんだもの」
「可哀想?」
「ええ」
善悪の境界
検事の正崎善は、この物語では《正》の象徴として描かれる。
その対極として、平松絵見子もとい曲世愛は《悪》の象徴である。
しかしながら正崎はあまりに脆く、まるで世の縮図を見ているようだ。
曲世でなくとも物悲しい気持ちになってくる。
思慮が浅く、いざという時に決断できず、大切なものを失い取り返しがつかなくなる。
間違いなく私の嫌いなタイプ。
一方曲世は疑問符ばかり。
なぜかしら。どうしてからしら。こういう場合は?
日頃からあらゆる思考を巡らせて、答えに目星をつけている。
だから彼女は常に先を行くし、思考が愚鈍な相手を唆すのも容易い。
あまりにも対極な二人の茶番とも思えるやりとりが面白い。
悪趣味とは正にこのことだ。
グロいシーンも平気な人には是非読んでいただきたいです。
アニメも面白い
アニメが面白くて原作を買った。
そして二年の月日で内容を程よく忘れかけた頃に原作に手を伸ばした。
最高に面白い。
そんで原作読みながらまたアニメ見てるww
アニメは全12話。小説は3冊。
今回の一冊目がアニメの3話分だった。
読んでるところを超えないようにしながら慎重にアニメを見てるw
個人的には小説→アニメの順番が良い。
小説でドキドキしたいからね。
▼アマゾンプライム会員の方は無料で観れます▼
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れさまでした!