Daydream

全ては泡沫のごとく、ただ溶けて消えていくだけ。。。

小説

内藤了さんの「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子シリーズ」の読む順番と感想、あらすじをまとめた

みなさん、猟奇殺人事件はお好きですか? お好きですよね? そんなあなたにおすすめのシリーズがこちらです。 1.『ON』 2.『CUT』 3.『AID』 4.『LEAK』 5.『ZERO』 6.『ONE』 7.『BACK』 8.『パンドラ 猟奇犯罪検視官・石上妙子』(スピンオフ) 9.『MIX』 …

それは怪奇現象か、トリックか『姑獲鳥の夏』京極夏彦

『姑獲鳥の夏』それは怪奇現象か、トリックか 『姑獲鳥の夏』のあらすじ 『姑獲鳥の夏』登場人物について 関口巽 中禅寺秋彦(通称:京極堂) 榎木津礼二郎 木場修太郎 京極堂が語る量子力学について 『姑獲鳥の夏』を6年ぶりに再読した経緯 『姑獲鳥の夏』…

#2023年下半期の本ベスト約10冊

私の中ですっかり定番になりつつある半期に一度の選書をやっていきます。 2023年下半期のベスト本を10冊紹介します 1.『精霊の守り人』上橋菜穂子 2.『川のほとりに立つ者は』寺地はるな 3.『ミカエルの鼓動』柚月裕子 4.『月の立つ林で』青山美智子 5.『7…

プレ値の付いた絶版本『堕天使拷問刑』が復刻したので早速購入して読んでみた(著者:飛鳥部勝則)

物語の構成要素がいくつかあり、どれもマニアック。 山村に古くから残る因習。 悪魔崇拝。 連続して起こる殺人事件にまつわるミステリー。 集団心理による扇動。 遺産相続。 中学生男子のささやかな恋愛。

最大70%OFFのkindleセールからおすすめの小説を紹介【Amazonブラックフライデーセール】

【Amazonブラックフライデーセール】が始まりました。 Kindle本は最大70%OFFとのことで、その中からおすすめの小説を紹介します。 私の既読本と、積読本からピックアップ。 1.『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬 2.『三体』劉慈欽 3.『そして誰もいなくなった…

死神女史の魅力が詰まった一冊『パンドラ 猟奇犯罪検視官・石上妙子』内藤了

乙女の肌には黄金の首飾り その胸には 偽りと、甘き言葉、不実の性… 神々の使者はさらに乙女に声を与え その女をパンドラと名付けた 「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子シリーズ」のスピンオフ作品、『パンドラ 猟奇犯罪検視官・石上妙子』を読んだら想像以上に好…

この者は、神か、悪魔か。『ミカエルの鼓動』柚月裕子

医療小説『ミカエルの鼓動』を読んで鳥肌立ったので記録しておきます。 『ミカエルの鼓動』柚月裕子 昭和な雰囲気を醸し出す医療小説 人間が抱える矛盾 私の好きな登場人物 クライマックスは手術のシーン 『ミカエルの鼓動』柚月裕子 ミカエルの鼓動 posted …

母と娘の関係・親子の業『母という呪縛 娘という牢獄』

豊かで平和に見えるこの法治国家で、母親に全てを取り上げられたあかりさんは何もできない。 身分証があり、肩書があり、個人の通信手段が当たり前のようにあるのは、とても重要なことなのだ。 31年間、実母に人権を奪われたまま生きてきた彼女の人生はあま…

寺地はるなさんの『川のほとり立つ者は』を読んで(面白かった)モヤったことをメモる

“川のほとりに立つ者は 水底に沈む石の数を知り得ない” 「清瀬には、松木が今までとってきた行動でしか松木を判断できへんていうことやん。疑わしい行動をしたから、松木は清瀬に疑われた。それだけのことちゃうの?」

西尾維新さんの『物語シリーズ』読破したので読む順番と感想をまとめた

怪異×言葉遊び×下ネタ。 軽い気持ちで読み始めたら沼でした。 なんだよこのシリーズ面白すぎかよ。 西尾維新さんの物語シリーズ ①ファーストシーズン1.『化物語』 ②ファーストシーズン2.『傷物語』 ③ファーストシーズン3.『偽物語』 ④ファーストシーズン4.『…

#2023年上半期の本ベスト約10冊

今週のお題「上半期ベスト◯◯」 今年もこの時期がやってきました。 半年に1回の決めゼリフ。 「時間が経つのが早い✨」 “僕はキメ顔でそう言った。” 2023年上半期のベスト本を10冊紹介します 1.『犯罪者』太田愛 2.『何者』朝井リョウ 3.『正欲』朝井リョウ 4.…

最大70%OFFのkindleセールからおすすめの小説を紹介

【プライムデー】最大70%OFFのKindleセールからおすすめ本を紹介します。 今回セールが大規模なので眺めてるだけで楽しいですわ。

自分の死に際を想像してしまう『AID 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』内藤了

人が自ら死を望む時、 それほど絶望しても尚、 死後に何かを残したいと思うのだろうか。

カルト宗教の集団自殺事件の裏側『名探偵のいけにえ-人民教会殺人事件-』白井智之

フィクションという言葉を鼻で笑ってしまいそうになるくらい、実際の出来事をほぼそのまま再現していました。 教祖も、僻地で開拓された集落も、パビリオンでの集会も、グレープ味のプレーバーエイドも、視察にきたどこぞの議員も、集団自決した900人超えの…

「寛容のパラドックス」を彷彿とさせる『正欲』朝井リョウ

「多様性」なんてものは極めて限定的でしかなく、その枠からはみ出てしまえば結局受け入れられることはない。 枠の中の人に理解できるラベルを勝手に貼られ、排除される。 マクロの理想と、ミクロの現実。 その距離はあまりにも遠い。

本編より好きかもしれない『三体0 球状閃電』劉慈欣

量子効果や軍事兵器開発のテーマに興味を惹かれる人、 そして『三体』シリーズ本編を楽しめた人は必ず読むべき一冊。 予想以上に面白くてビックリしたわ… 『三体』前日譚である『三体0 球状閃電』 『三体0 球状閃電』のあらすじ 予想外に感動してしまう 引…

ChatGPTに『痴人の愛』の要約を頼んだらオリジナル小説を返された話

この記事には谷崎潤一郎の『痴人の愛』のネタバレは一切含まれていないので、 本編未読の方も安心して読んでください。 谷崎潤一郎の『痴人の愛』についてChatGPTに聞いてみた ①なぜChatGPTにそんな質問をしたのか ②なぜ『痴人の愛』なのか いざ、質問。「谷…

私の中にも“二宮拓人”がいるので登場人物についてまとめてみた『何者』朝井リョウ

SNSというのは使い方を間違えると身を滅ぼす。 これはネットが普及した現代特有の病と言えるのではと思ったり思わなかったり。。。 『何者』朝井リョウ ①二宮拓人 ②神谷光太郎 ③田名部瑞月 ④小早川理香 ⑤宮本隆良 ⑥烏丸銀次 ⑦サワ先輩 『何者』でもなく自分…

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を2度読みして感じたこと

アガサクリスティーのミステリー小説『そして誰もいなくなった』を2度読みしました。 ミステリー小説を2回読むなんて…と思われるかも知れませんがお付き合いください。 私もついに『そして誰もいなくなった』を読んだ Voicy対談より、作家・真山仁さんの「…

『三体X 観想之宙』良質な物語と二次創作の必要性は別問題だと感じたお話

『三体 第三部 死神永生』の裏側で何が起こっていたのか。 雲天明(ユン ティエンミン)の人生(脳だけになってからの)がどんなものだったのか。 具体的な答えが欲しい人は是非読んでみてほしい。 原作者とは別人が描いたとは思えないほど、かなり攻めた内…

対立の末に得るものはあるのか?【同志少女よ、敵を撃て】逢坂冬馬

一ヶ所に留まるな 自分の弾が最後だと思うな 賢いのは自分だけだと思うな それが、狙撃兵の鉄則。 同志少女よ、敵を撃て 【同志少女よ、敵を撃て】用語解説的な 悲惨な対立の物語 【同志少女よ、敵を撃て】を読んで思ったこと 同志少女よ、敵を撃て 同志少女…

 #2022年下半期の本ベスト約10冊 

上半期やったら下半期もやりたくなるよね。 ってことで、 2022年の後半に読んで面白かった本を10冊ピックアップしていく。 2022年下半期の面白かったベスト本を紹介する 1.小説①【三体】劉慈欣 2.小説②【同志少女よ、敵を撃て】逢坂冬馬 3.小説③【野良犬の値…

【ネタバレあり】三体シリーズⅢ死神永生㊦まで読破した感想

彼女が雲天明に階梯計画を奨め後悔したときも、 執剣者(ソードホルダー)でありながら抑止を実行できなかったときも、 戦争してでも曲率推進ドライブの光速船を開発しようとしたウェイドを止めたときも、 関一帆(グアン・イーファン)に宇宙の真実を聞かさ…

伊坂幸太郎さんの『殺し屋シリーズ』既刊本読破したので読む順番と感想をまとめた

貴方がまだこのシリーズを読んでないなら読むといい。 面白いからとりあえず読むといい。 ハリウッドで映画化されるくらいには面白いから読むといい。 読んだら感想を語り合いたいですお願いします。 新作バンザイ。 伊坂幸太郎さんの“殺し屋シリーズ”読破 …

『命の値段』について考えたことある??【野良犬の値段】著者:百田尚樹

百田尚樹さんの本を読むのは3冊目なのだけれど、今のところハズレ無し。 今回は、考えさせられることが多い一冊だった。 【野良犬の値段】を読んで考えたこと 読みながらタイトルについて何度も考えてしまう この本の結末について(ネタバレなし) 【野良犬…

【ネタバレあり】三体Ⅱ暗黒森林㊦まで読んだので思いの丈を一旦吐き出しておく

三体沼にどっぷりと浸かりながら黙々と読み進めている。 今回は第二部の暗黒森林を読み切ったので、 ネタバレを気にせず登場人物たちについて思ったことを吐き出していく。 *ネタバレなしの前回記事* 世界的に大ヒットしたSF小説【三体】は、もっと面白い…

村上春樹さんの【ねじまき鳥クロニクル】はAudible(オーディブル)で藤木直人さんに朗読してもらうのがおすすめ

第一部を読了した現時点で、この本にわかりやすいストーリーは存在しない。 強いて言えば『岡田亨の日常』ということになるのだろうが… いや、『平穏な日常が壊れていく様』と言うべきか。 しかし起こる事象は1つ1つが些細なものであり、 『平穏が壊れる』…

世界的に大ヒットしたSF小説【三体】は、もっと面白いはずだった…!

物体が2つだと規則的な動きをしているのに、3つになった途端動きがおかしくなっている。 そして時に衝突しているではないか。 これが太陽だったら…と考えると確かに恐ろしい。 そりゃ文明も何度だって滅びるよね…。

2022年上半期の本ベスト約10冊

今年も8冊のピックアップ。体感としては去年の方が豊作だったかな、と。(小声)突然のKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)参入によって選書が乱れたのは間違いない。

【ネタバレあり】幻想的というかとてもファンシーだと思った小説【この闇と光】服部まゆみ

【この闇と光】をこれから読もうか迷っている方に私が言えることはたった一つ。 読むなら事前情報ゼロで読むのが一番面白いので、 このブログは閉じて、不必要な情報を目にしてしまう前にさっさと読みましょ。 いってらっしゃーい。 【この闇と光】を読んで…