
上半期と下半期の切り替えが上手くできなかった気がしている。
ぼんやりと漫画ばかり読み耽っていたらいつの間にか知らぬ間に下半期に突入していた。
10冊も慌てて選んだ感がある。もっとじっくり選びたかった。
とはいえじっくり選んだところで選書の内容が変わるわけじゃない。
だからこれで良かったのだと自分に言い聞かせる。
毎度恒例ではありますが、Xでタイトルだけ並べても面白さが微塵も伝わらないと思うので少しだけ文章にしていく。
児童書
1.『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健
うみのなか中学校に通うタコジローは、学校にも居場所がなく、自分のことが大嫌い。
ある日、不思議なヤドカリおじさんと出会ったタコジローはその日から、どんどん変わっていく…・考えるとは「答え」を出そうとすること
・その作文、嘘が混じってない?
・みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる
・考えないのって、そんなに悪いこと?
突然の児童書。
まず私が思うのは「ポプラ社って懐かしすぎん!?」ってことと「古賀史健さん凄すぎん!?」てことです。
まず小学校高学年~中学生くらいの読書する子は絶対ポプラ社のお世話になってるよね?
非常に馴染みのある社名だとおもうのです。
あと古賀史健さん。『嫌われる勇気』の著者だって。
めちゃくちゃヒットしてた名著じゃん(読んでないけど)。
多分『さみしい夜にはペンを持て』の方が更に名著なので全大人読んでほしい。
私なんて、この本に影響されすぎて日記再開しちゃったよ(バレットジャーナル挫折中だった)。
「誰にも見せない手書きの文章」とてもいい。
とても良すぎて、書きすぎて、ブログがすっかりご無沙汰になってしまった。
冗長な文章を書くことで有名な私ですが、手書きでも同じです。
おかげさまでペンのインクの減りがめちゃくちゃ早い。そして手が痛い。うける。
最初Audible(オーディブル)で聴いてハマって、良すぎて次作を買う時に一緒に紙の本買い直してしまった。
本屋さんの児童書コーナーに行くの久しぶりすぎて、とても懐かしい気持ちになりました。
2.『さみしい夜のページをめくれ』古賀史健
主人公の、うみのなか中学校3年生タコジローは今まさに、進路に迷っていた。
「どうして勉強しなきゃいけないの?」
「ほんとにこのバスでよかったのかな」そんなとき、おまつりの帰りに、あやしいヒトデの占い師に出会う。
「そこに座りな。占いに来たんだろ?」
その屋台は、本の中のことばで、占ってくれる店だった――。
・さみしさは分かち合うことができない
・どこで学ぶかよりも大切な「だれに学ぶか」
・ゲームと本はどこが違う?
・なぜ本の世界に入っていけないのか
・くらべクラゲとそれでクラゲ
・自分を耕すとは、どういうことか
・本を選ぶところから「ひとり」ははじまる
・ぼくたちはたくさんの「自分」を生きている
前作が良くて心待ちにしていた次作。
「書くこと」がテーマだった前作に続いて、次は「読むこと」がテーマになっている。
私にとって「書くこと」と「読むこと」は人生における重要なテーマなので、こういう害のない感じでポジティブに描いてもらえるとそれだけで心(というか人生)が洗われるような気がする。
実際問題はポジティブなことばかりじゃないんだけれども、それを踏まえた上でこういう物語を読むのがいいのである。
作中には様々な「本」が登場する。
読みたい本が増える。
「もっと本を読みたくなる本」というのは、個人的に名著だと思っている。
そういう意味で野﨑まどの『小説』と通じるものがある。
ドキュメンタリー
3.『崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった』渡邊永人
起死回生の一手はリアルで過激なドキュメンタリーYouTube! 「トウシューズを買うのも苦しい」週5バイトの新人バレリーナ、「コロナと戦争で解雇された」ロシアの元プロバレエ団員、動画に批判殺到で「生きた心地がしなかった」芸術監督。個性豊かなダンサーたちと若きディレクターが織りなす、涙と汗の青春ノンフィクション。
私がハマっているYouTubeチャンネル、「谷桃子バレエ団」のディレクターが書いた著書。
半分は寄付の気持ちで買った。
「印税はバレエ団に寄付する」と、渡邊Dが公言していたから。
バレエ団にお金が行くこともだけど、何より彼のその心意気が凄いなと思って。
私はYouTubeで初期の頃から動画を全部観ていたので、内容にはさほど期待していなかった。
「動画で一度観てるしな」と思って。
でもなんか違った。
文字で読むと、また違う良さがある。
何より動画ではあまり公開されていたなかった、彼自身の思いが語られていた。
彼がどんな気持ちで密着取材していたのかが伝わってきて、過去の動画が懐かしくなり、また見返したくなってしまった。
本読まない人はYouTubeを観ればいい!
【週5バイトのバレリーナ】家賃6万円、家具なし…
小説編
4.『小説』野﨑まど
「物語に救われ、読書に呪われた」
君はなぜ、小説を読むのか?
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。
読むだけじゃ駄目なのか。
それでも小説を読む。
小説を読む。
読む。
宇宙のすべてが小説に集まる。
タイトルだけ見ても内容の想像がつかないのに、小説が好きな人は手に取らずにいられない。
物語の結末も、タイトルの回収も、全てが良かった。
エンタメ小説のようで、SF小説のようで、幻想文学でもあるような、とても贅沢な『小説』だった。
小説が好きで、小説ばっかり読んでる人なら、きっと一度は感じたことのある疑問や葛藤。
それでも最後は、「これで良かったんだ」と思わせてくれる。
大切に本棚にしまっておいて、時々読み返したくなるような一冊でした。
5.『渇水』河林満
市役所の水道部に勤め、水道を止める「停水執行」を担当する岩切は、3年間支払いが滞っている小出秀作の家で、秀作の娘・恵子と久美子姉妹に出会う。小出の妻は不在、秀作も長いあいだ家に戻っていなかった。姉妹との交流を重ねていく岩切だったが、停水執行の期限は刻々と迫っていた――。
短編集なのだけど、10冊に組み込みたいのは表題作の『渇水』。
刺さりすぎて痛かった。しばらく尾を引いた。
どんな仕事にも理不尽な側面はある。
ただ、彼の仕事と私の仕事はその理不尽の種類が似ているような気がした。
その理不尽さは、
時に私の中に、
殺意にも似たような感情を芽生えさせるというお話。
6.『狂骨の夢』京極夏彦
夫を4度殺した女、朱美(あけみ)。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗(ふるはた)。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実(うつつ)の縺(もつ)れに悩む3人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏(どくろ)、山中での集団自決。遊民、伊佐間、文士、関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?
他人の記憶を夢に見る女。
骨の夢を見る男。
海で目撃された金色の髑髏と、山中での集団自殺事件。
殺して首を切っても蘇り、何度も訪ねてくる男は妄想か、現実か。
事件は一層複雑になり、関わる人が増えただけ憑き物落としも大掛かりになっていく。
なんだかこちらまで憑かれたような気持ちになってくる。
「この世の中にはね、不思議なことなど何ひとつないのだよ」
彼は相変わらずそう言うし、私もそうだとは思うのだけど……
人は誰もが違う世界を見ている。
それなのに、隣人も同じ世界で生きていると信じているから。
不思議はきっと、今日もどこかで生まれているんだと思う。
7.『鉄鼠の檻』京極夏彦
忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」……。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者――骨董屋・今川、老医師・久遠寺(くおんじ)、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹(きょさつ)=明慧寺(みょうけいじ)に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する。
“時間に追われぬ解放感と云うのは時間に縛られてこその解放感である。私も好んで檻に這入っていたのだ。”
誰かに檻の中を強制されたような気がしたり、時には檻の中に居る事さえ無自覚な時もある。
関くんは相変わらず耳の痛いことを言う。
今作もめちゃくちゃ面白かった…!
榎さん出番多くて大満足だし、「不立文字」をあえて文字だけの小説で描くのが本当にすごい。
禅の概念、理解には全く及ばないけれど、端っこの何かには触れた気がした。
というか、禅について少しでも理解したくて、用語調べまくった。
8.『絡新婦の理』京極夏彦
理に巣喰うは最強の敵――。
京極堂、桜の森に佇(た)つ。当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな――2つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作(おりさく)家創設の女学校に拠(よ)る美貌の堕天使と、血塗られた鑿(のみ)をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らせた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か?
目潰し魔に絞殺魔。冒瀆。売春。猟奇殺人。蜘蛛の悪魔。黒い聖母。呪い。怨み。儀式。清浄なる聖域としての学園と、その生徒が密かに行う黒ミサ。
不穏なものがぎゅっと詰まった物語。
あちこちでバラバラにおこる事件にそれぞれが遭遇し、少しずつ繋がっていく。
裏で糸を引く「蜘蛛」とは誰なのか。
めちゃくちゃ面白い作品だった。
物語の構成はそのままシリーズの構成でもあるようで、進めば進むほど過去との繋がりが少しずつ見えてきて、やはり再読ループ必至だなぁと思うなどした。
このシリーズ、好きすぎる。
9.『流れ行く者』上橋菜穂子
王のたくらみによって父を殺された少女バルサ、そして彼女を救った父の親友ジグロ。故国をすてた二人の旅路を描く守り人短編集。
本編を全て読み切った今、非常に心に沁みる一冊。
バルサがどのように暮らしてきたのか、タンダとどのように育ってきたのかを垣間見ることができる。
ハズレなしの素晴らしい一冊だったけれど、「ラフラ<賭博師>」が特に好き。
本編で出てきた「バルサがゴイ(サイコロ)で好きな目を出せる」ってやつの原体験が読めます。
少し謎めいていて、少し切ない、心に残る物語。
本編を読んだ上で読む外伝が素晴らしい。
シリーズの中から敢えてこの一冊を選んだことに意味がある。
私の中で、『三体0-球状閃電-』みたいな感じ。
10.『禁忌の子』山口未桜
救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ!
10冊の選書にぎりぎりランクインした一冊。
読み進めれば読み進めるほど謎が深まり手が止まらなくなる。
前半部分を読んだ段階で展開が読みやすい物語なのかと思いきや全然そんなことはなく、読了後は「勘違いして申し訳ありませんでした🙇🏻♀️」と頭を下げたくなりました。
『小説』もそうだったけれどタイトルを鮮やかに回収されると読後の満足感がとても高まってイイ。
城崎先生はシリーズもの向きのキャラだよなぁと思いながら読んでいたので巻末見て「だよねぇ!」とひとりでテンション上がった。多分買います。
展開が読めそうで読めなかったのが良かったのと、「シリーズ化」を期待しての選出。
2025年上半期読書の総括
なんだかいつもとは少し違う構成になってしまった。
でも選書からしていつもと違うスタイルなので仕方ない。
読み方が偏ってるんだもん。どうにもならん。
ところで2025年上半期に読み耽っていたシリーズで、「これは経費で落ちません!」がとてもよかったのでここに書き記しておきます。
12巻まであって、「この一冊が特に…!」とかはなかったので今回の選書からは漏らしたけれど、シリーズ全体的に良かった。
こんなに面白いならもっと早く読めば良かったと思ったよね。
上半期に読んだ本は53冊で、「これは経費で落ちません!」が12冊、百鬼夜行シリーズも分冊版となると…まぁそれだけでも偏りがかなり見えてくる感じです。
でも面白い本ばかりだったな。
序盤3ヶ月をバレエの発表会練習に費やしたにしては、多めに読めた方な気がする。
下半期はもっとペースが落ちる予定だから、今年は100冊いかなそう。
まぁいいか。
下半期も面白い本に出会えるといいな。