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【東の海神 西の滄海】十二国記シリーズepi:3


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『国がほしいか?』と、麒麟は低く問うた。

 

『ほしい』と、青年は答えた。

 

だから彼は、王になった。

 

【東の海神 西の滄海】十二国記シリーズepi:3

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東の海神 西の滄海

ついに来たか…という感じ。

十二の国で、最も長く玉座に君臨していると言われる男。

その治世、なんと五百年

そんな果てしない国の、始まりの物語。

【東の海神 西の滄海】あらすじ

世界の中心には黄海があり(海といっても水はない)、その周りを内海と十二の国が、まるで幾何学模様のように取り囲んでいる。

国の名は、柳・慶・巧・奏・才・範・恭・戴・舜・漣・芳。

本作は、雁(エン)国の始まりのお話。

廃墟と化した雁国の復興に励む延王・尚隆と延麒。幼い頃に出会った更夜の来訪になつかしさで一杯の延麒は、実は仕組まれた罠であることを疑いもしなかった。争いごとや殺傷を忌み嫌う麒麟を人質にとられ、雁国は怒涛の騒乱にまきこまれてゆく。

延王・尚隆は如何にして王になったのか

この世界では、麒麟が王を選ぶ。 

麒麟に選ばれた王は、不老不死となる。

国をきちんと治められればその治世は続き、国を傾ければ麒麟が病む。

国が持ち直さなければ麒麟はそのまま死に、麒麟が死ねば王も死ぬ。

国をまともに治めるのはそう簡単ではない。早い王なら数ヶ月で倒れる。

そんな中、彼が王として君臨している期間は五百年。

気が遠のくような年月を、彼は王として過ごしている。

彼の名前は小松三郎尚隆。

出身は日本。瀬戸内の一角を治める領主の息子であった。

彼は、領土を治めるために育てられた。治める土地も民もあるはずだった。

しかし戦ですべてを失い、自分の存在意義すら見失った。

延麒は確信していたのだ。『この男が王なのだ』と。

『この男が、雁国を滅ぼす王なのだ』と。

だから聞いた。

 

すべてを失ったはずの男に、『国がほしいか?』と。

すべてを失ったはずの男に、麒麟は与えた。

 

新しい世界で、

男が治めるべき土地と、

民を。

正しく国を治めるということ

きっと正解は1つじゃない。

答えは常に変化する。

道は選択の連続で、王は常に正解を選び取らなければならない。

十二の国があり、十二の麒麟がいる。

それぞれの麒麟が、様々な王を選ぶ。天の意志として。

国の場所によって気候が異なり、民の気質が異なり、隣国との関係性も異なる。

王の方針によって、国の運命が定まる。

このシリーズの面白いところは、様々な国の変遷を追うことができることだ。

王になりたくても選ばれなかった者、王になんてなりたくないのに選ばれてしまった者。

王を欲する民と、王を忌避する民。

混乱と、波乱と、激動のドラマ。

豊かな国と、貧しい国は、何が違うのか。

国を治める王に必要な資質とはなんなのか。

 

今見つめている国が、どんな運命を辿るのか。

期待と不安に揺れながら、また次の一冊を読み進めてしまう。

新装版の表紙良いですね。

 

そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

お疲れさまでした!

 

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