ものすごく久しぶりに再読。
18年ぶりに待望の新作。そして多分、これで完結。今日は十二国記シリーズのお話。
十二国記シリーズの再読始めました
小野不由美さんの人気シリーズ、十二国記の新作が発売となり、先日話題になっていました。どこの本屋さんへ行っても必ず平積みされていて、このシリーズがどれほど人気か、どれほど新作を待たれていたかが窺い知れます。
ちなみに私はと言うと、学生時代に母が集めていたものを借りて読んでいました。
しかしそれもかなり昔の話。正直シリーズのどこまで読んだかははっきり覚えていないし、内容もなんとなくしか覚えていません。
とても面白いファンタジーで食い入るように読んだことだけは覚えているけれども。
せっかくなのでこれを機に、シリーズを再読することにしました。
本はもちろん母に借りて…。最初に遡るとかなり古いですが、ちゃんと保管してくれていたようです。
Episode0【魔性の子】
Episode0の魔性の子は、一冊目からいきなり本編外の作品です。
物語は独立しているので面倒な人は読まなくても大丈夫だし、本編を読んだあとに追加で読んでみても大丈夫です。
本編は壮大なファンタジーですが、魔性の子は少しホラー要素も混じっています。
【魔性の子】のあらすじ
教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は“報復”ともいえる不慮の事故に遭うので、“高里は祟る”と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した“神隠し”が原因らしいのだが……。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所はどこなのだろうか?
“異世界転生”って、現代ではとても流行っている設定だと思う。ファンタジーの醍醐味というか。
私が人生で最初に触れたその設定の漫画が【ふしぎ遊戯】で、小説がこの【十二国記シリーズ】だったように思う。
物語内には“現実世界”と“異世界”がある。メインストーリーは舞台の殆どが“異世界”だけど、この魔性の子は“現実世界”をメインに描かれている。
クラスで浮いた存在の一人の男の子。頭も良く、協調性もある。それなのに、クラスに溶け込めない。どうやっても人の中には入れない、異質な存在。
なぜ彼の周りばかり事件が起こるのか。誰の意志か。彼は何者か。
彼の消えた記憶の中に、一体何が隠されているのか…。
故国喪失者
この物語のキーワードの1つになっているのが、故国喪失者。
自分の居場所はここではないという感覚。還るべき場所。還れない場所。
自分にとって、都合の良い世界を夢想する。
“人が人であることは、こんなにも汚い”
どれほど取り繕っても、見ないように目を背けても、結局は、自分は自分でしかなくて。醜くても、卑怯でも、エゴの塊でも、生まれた世界でただ生きていかなければならない現実。
小野さんはいつも、見たくない嫌なものを見せてくるなぁ、と。でもなぜか、それが癖になるんですよねw 胸の奥がザワザワするww
2つの世界が不意に交錯してしまい、とんでもない歪がおこる。
必見です。(`・ω・´)ゞ