『天命をもって主上にお迎えする。
御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと、誓約申し上げる』
すべてを知ってからもう一度聞くと、なんて重い言葉なんだろうと思う。
【月の影 影の海】上下巻
保管していたシリーズの中でたった一冊だけ、【月の影 影の海】の下巻だけ、紛失したようです。なので先日、本屋さんで買いましたww
十二国記シリーズ本編の第一作目。面白すぎてさっさと読了(*ノω・*)テヘ
【月の影 影の海】あらすじ
十二国記というくらいなので、12の国がある世界のお話。
柳・雁・慶・巧・奏・才・範・恭・戴・舜・漣・芳
今回は、雁(エン)国・慶(ケイ)国・巧(コウ)国の3つの国が出てくる。
漢字を使い、少し中国と似ているような気もするけれどそうではなく。行き交う人々は東洋人のようで、髪や瞳の色がぜんぜん違う。
神がいて、王がいて、国を治める。国を治める王は、麒麟が選ぶ。麒麟の麒は雄を表し、麟は雌を表す。
やっぱりEpisode0の【魔性の子】は、先に読んでおくのがいい。
そうすると楽しみが増える。
魔性の子は少し謎めいた感じで終わる。
その謎も、つまりはどういう意味だったのか、 月の影影の海を最後まで読めばわかり始める。そしてあの騒動がなぜ起こったのかも、大体の推測が立つ。
いろんな伏線が回収されて面白い。
魔性の子のラストが予備知識にもなるので、本作内での延王の話も理解しやすい。
「あなたは私の主、お迎えにまいりました」
ある日突然、ケイキと名のる男が学校に現れ、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついたところは地図にない国。そして、ここで陽子を待ち受けていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍りでる異形の獣たちとの戦いだった。
異界へ喚んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる!
こんなに過酷な主人公はそう居ない気がする。
常識も何もかもが違う異世界で、たった一人で所持金もなく、人に追われ、騙され、妖魔に襲われ、餓えても彷徨い続ける…。
誰に追われ、なぜ襲われるのかもわからないまま、身を削って世界のことを学んでいく。
それは、余りにも過酷すぎる旅。
後半に差し掛かるともう止まらない
前半は、ホントにホントにしんどい状況がひたすら続く。陽子死ぬんじゃねーの?ってくらいに。
いや、違うか。死んだ方がマシなんじゃねーの?ってくらいに。
けれど1つの謎がとけると、そこからは閉ざされた視界がボロボロと崩れ落ち、突然世界が姿を表す。
読んでいて止まらなくなるし、ちょっと鳥肌立つよね。
小野不由美さんマジすげーよ。。。
こんなに大人向けのファンタジーもそうないよな、と思う。
学生時代に読んだときも面白さは強烈に残ったけれども、改めて大人になった自分が読んでみると、面白いだけじゃなくて、なんか…刺さる。
突然孤独の中に放り込まれた陽子の葛藤が、なんだかとても痛い。
陽子と一緒に、いろんなことを考えてしまう。
ぜひ読んでみて(๑•̀ㅂ•́)و✧
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れさまでした!
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