顔の皮を剥がれ
泣き叫ぶその者の
喉元を切り裂く
舞い上がる血煙
あなたは
これを
生で
見たい
ですか
【ストロベリーナイト】著者:誉田哲也
溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された! 警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは? クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。
出だしから目が離せず、一気に引っ張り込まれる
言うなれば、最初からまぁまぁエグいです(真顔)。
今回のストロベリーナイトに関しては、読み始めに作品の第一印象とか優雅に考えている暇もなかったような気がする。
もういきなり引っ張られて、『え?え??え???』みたいなw
割と最初から前のめりで読み始めました。
モノクロと、赤しかない世界が、あなたの目の前に…見えるはず。
登場人物の背景が一々重い
【ストロベリーナイト】といえば…女優の竹内結子さんを連想する方が多いのではないでしょうか。私自身もその一人。
ドラマ自体は見ていないのですが、そんな私でもパッと思い浮かぶくらいの人気作。
でもこれ、いったいどうやってメディア化したんだろう。
映像化できるの?規制かかるよね??
ライトな感じに編集したんだろうか。面白さが半減…以上減るような気がするけど。
ちなみにですけど刑事が猟奇殺人事件を追いかける系のお話です。大好物です。
同じようなご趣味をお持ちの方は、絶対楽しめるはず。ゼッタイ。
しかしそのヒロインの女刑事(姫川玲子)が一番重いものを抱えているわけです。1つじゃない。何重にも。
本当ならば殺人犯を追いかけているような場合ではないような気がするけれども、逆にそうすることでしか生きられなくなっている。そうしてまた苦悩を重ねていく。
事件だけじゃなく、人物背景が重すぎる…(好き)
警察官の9つの階級って知ってる??
私は“刑事が殺人犯を追いかける”系の話が好きでよく読むのですが、警察組織は肩書が一般の会社組織とは違いますよね。
課長、部長、専務、社長!とかではなく、巡査、警部補、警視、署長!とか?
なんか独特な呼び名が出てきます。
どれもなんとなくは聞いたことがあり、下っ端っぽいな〜とか、エラそうだな〜とか、ほんのりイメージがつく程度。
でも、逆に、なんとなくイメージがつくせいで、きちんと調べたこともなかった…。
ストロベリーナイトにはちゃんと解説が載っていました〜。
これ、普通に助かりました。『なるほど〜』と思いながら読んじゃった。
姫川さん曰く、警察組織は、役職とは別に9つの階級があるとのこと。下から順に、
となっており、“階級は、初対面同士でも身分の上下を明確にし、迅速な命令系統の確立を可能にする”んだとか。
なるほど…。
巡査って交番勤務の人がよく呼ばれてるやつだよね。いろんな小説の中でw
ヒロインの姫川玲子は、あるトラウマから警察組織に対する一種の執着のようなものがあり、『警察組織そのもの』に対する語りが多く出てきます。
『警察もの』の小説が好きな読者にとって、ここは面白ポイントの1つかなぁと。
姫川さんがこの階級について教えてくれたのも、彼女自身がこの階級に異常な執着を持っているせいです。
個人的には名探偵コナンの目暮警部や、ルパン三世の銭形警部はなるほど4番目の階級なのね、と思ったり。百舌シリーズの津城さんは警視正までいったから、すでに6番目までのぼったのかぁ、とか。色々考えちゃったw
徹夜注意
この文庫、そこそこ厚みがあるのよね。京極さんほどではないけどさw
キーワドは、猟奇殺人・警察もの・女刑事と言ったところ。外さないやつ。
しかもシリーズ物。最高かよ。
目まぐるしく状況が変化して止まらなくなるので、夜に読み始めるのはやめた方がいい。寝れなくなる…(´;ω;`)←
アマプラにドラマでもあれば見てみたかったけど…映画しかなかった。あの映画はもっと先の話(インビジブルレイン)っぽい。……あとで見るか。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れさまでした!
※この記事は旧ブログにて2018.3.20に掲載したものを、本書の再読にあたり加筆・修正したものです※