キッカケは、ドラマ化して配信が始まったことだった。
広告の量がえげつない。
私は普段からスマホでマンガをたくさん読むので、
マンガの広告がこれでもかってくらい出てくる。
単純接触効果恐るべし。
一度は【明日カノ】に挫折した
まだコミックが1巻くらいしか出ていない頃、
実は一度読んでいたのに挫折した。
主人公は女子大生の雪ちゃんで、
デートクラブでお金を稼ぐ子の話だった。
当時、「特に面白味のない話だな」と思った記憶がある。
女子大生がデークラで金を稼ぐなんて、
むしろお上品すぎやしないか?と。
それはマンガでネタにするほどのことなのか?と。
ところが現在の明日カノはコミックで12巻まで発売されており、
主人公は雪だけではなくなっている。
デートクラブは序章に過ぎなかったらしい。
早とちりしてごめん…
私の知らない世界が出てきて急に面白くなった
代わる代わるスポットライトをあてられる女子大生たちは、
何かしら問題を抱えている。
重大なようで、案外そうでもないような、思春期にありがちなやつ。
その絶妙なラインがリアルに上手く描かれていて、
絵も綺麗だし読みやすい。
しかしながらそれだけだった。
私にも思春期はあったし、人間関係は広い方だったと思う。
水商売、風俗、AV出演やホスト狂に借金地獄。
色んな女の子たちをリアルで見てきたし、
その末路はマンガほど綺麗なものではないし、
人生はもっと壮絶だ。
女子大生のうちに足を洗えるならそんなのは「若気の至り」として
大抵は無かったことに出来る。
(現代の子は“ネットに痕跡を残さない”ことが最重要課題だとは思うが)
そうやって“綺麗すぎる”明日カノを読み流していた私が、
突然「知らない世界」にブチ当たって急に興味を惹かれてしまった。
これは現代特有の、いうなれば「私の若い頃には無かった文化」だ。
明日カノの主人公(女子大生)たち
1.雪
最初の主人公、雪。
デートクラブでお金を稼ぐ子。
真面目キャラで一線を越えるようなことはしない。
2.リナ
寂しがり屋のパパ活女子。
可愛くていい子なんだがいかんせん頭が悪い。
恐らく将来苦労するタイプ。
私の幼なじみにソックリなので見てると胸が痛む。
3.アヤナ
美醜コンプレックスの整形女子。
私は整形反対派ではないんだけど、
こうなってしまうと意味が無いなと思ってしまう。
せっかく美しいお顔を手に入れたのに、
なぜか更に肥大するコンプレックス…
4.萌
どこにでもいるような地味でぽっちゃり系の女子大生だったはずが、
たまたま行ったホストの初回で見事にドハマり。
最初は安い金でチビチビ飲んでたはずが、
段々我慢できなくなってお金を使いすぎ、お風呂行き。
萌は当たったホストが悪かった。
はるぴみたいなクズホストなら絶対ハマらなかっただろうに。
5.ゆあ
典型的なメンヘラホス狂。
稼ぎまくって貢ぎまくって泣き叫んで手首切る系。
第5章 洗脳
私が今、興味深く読んでいるのは上記の子たちの話ではない。
更に次の章である。
カノジョの名前はルナ(源氏名:伊織)
人気のソープ嬢。
そしてルナの彼氏。隼人。
バシモトという名前で活動をしている人気配信者。
そしてこの子はバシモトを過激に信仰する女子高生のぽぽろちゃん。
スレで「空気読めないキッズ」と書かれてしまう程度にはヤバい子。
そんなわけで、明日カノに突然出てきた私の知らない世界は
推し活
なのであった。
これは私の頃には無かった文化だし、
現在も私の周囲には居ない人種の人たちなんだよなぁ。
だから先が読めなくて面白い。
そして、「最近の若い子特有の文化」っぽくて興味深い。
しかもサイコミのコメ欄を見ていると実話ベースの話っぽい?
私のような人間からすると、まず「配信者」ってなんだよ!?から始まる。
え?それって職業ですか???
バシくんの配信内容を見ても全くの意味不明で、
ルナが隼人(彼氏)のバシ垢見て大爆笑してるのめちゃくちゃ共感できる。
アイコン見て「絵なんだけど!?」ってww
それなwwwってなるやつw
この章は様々な対比がある。
読者はその両方を見ることができるけど、
当事者たちは自分がいる側の一面しか見ることができない。
想像力の欠如と、視点の偏りが招く悲劇。
元カノに炎上されられて自粛中なのに、
懲りずにルナと付き合い始めてしまう隼人。
ルナのアドバイスで仕事を伸ばしていく隼人と、
隼人と付き合うことでソープの仕事が苦痛になっていくルナ。
推しに投げ銭しまくって悶てる信者と、
その心境がまるで理解できないリアル彼女のルナ。
KYキッズのぽぽろちゃんがどんな地雷で炎上させてくれるのか…
非常に楽しみであります。
実体の無いものに妄執して、実体を求めてしまうのマジで地獄しかない。
そして金銭が絡むとトラブルが増える。
「見返りを求めない」なんて無理だからね。
人間そんな無欲にできてないもん。
「信者ビジネス」にも様々な形態があるけれど、
「推し活系」も中々に闇深いものなんだなと思いつつ…
裏側を見てしまえばどれも滑稽でしかないのは共通している。
不幸と幸福って本当に紙一重なんだなと思わされる作品である。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!