面白い映画を見た。
スペインのサスペンス映画なんだけれども、
完全なる縦(穴)社会の牢獄で、
上層階の住人の残飯を食べて生命を繋ぐというもの。
もちろん下層に行き過ぎれば残飯さえ回ってこない。
非常に恐察捗る映画であった。
縦穴を降りてくる不思議な【プラットフォーム】
コンクリートで囲まれた牢獄。
部屋の中央には“穴”が空いており、
1日に1回、その“穴”から食事を乗せた“プラットフォーム”が降りてくる。
0階層で豪華な食事が盛られ、
1階層ではその食事を食べることができる。
一定時間が過ぎるとそのプラットフォームは更に下降し、
次は2階層の人が1階層の残飯を食べることになる。
そしてまた一定時間が過ぎると“プラットフォーム”は更に下降し、
3階層の人に残飯が回ってくる。
階層を降りるごとに食事は減り、食卓は荒らされ、
けれどもっと最悪なのは残飯さえ回ってこない(残っていない)さらなる下層。
この閉鎖空間で生き残る方法はあるのか?
CUBEに似ていると話題に
絶対に邦画の『CUBE』を連想しないでほしい。
1997年に制作されたカナダ映画の方である。
私が観たのは中学生頃。
今でも覚えているくらいめちゃくちゃ面白いし、
この映画で素数を学んだと言っても過言ではない。
私の人生において好きな映画TOP3に君臨し続けている。
(予告見たら本編見たくなってきた…)
確かに似ている部分もあるし、
CUBEが好きな人はプラットフォームも好きになる可能性が高い。
私もその一人。
最も似ている部分は何か。
それは建物の構造にトラップが仕掛けられているところだ。
どちらも閉鎖空間。
どうやってその空間に迷い込んだのか、
どうやったらその空間から出ることができるのか。
真相を追求しようとする行動は常に命懸けとなるし、
何もしないことも生命に関わる。
なぜなら人は、水と食料がなければ生きてはいけないから。
ではこの2つの映画の違いはなんだろう。
『プラットフォーム』はとても風刺が利いている。
「現代の資本主義社会を映像化するとこうなる」という一つの答えなのだろうと思った。
閉鎖空間での心理描写以上に、
この建物の構造、それ自体が非常に不快な造りをしているのである。
そして1日1回の食事、残飯を漁る映像はさらなる不快感を煽る。
私たちが見えているようで見えていない、
見えたとしても見たくはないような真実を突きつけられるのだ。
また、この牢獄にはあらゆる人種の人たちがいること、
階層は定期的に、けれどランダムに移動させられることなども
示唆に富んでいて面白いポイントだ。
上層階に上がる方法はあるのか。
下層はどこまで続くのか。
出口は上か、下か。
現在アマゾンプライムビデオで見放題作品なので、
プライム会員の人は是非観てみてね。
私はこの映画を観て、2冊の本を思い出した。
どちらも資本主義について書かれている本なので、
興味のある人は読んでみてほしい。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!