Daydream

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人はなぜスピリチュアルにハマるのか?自己啓発とスピリチュアルの境界を垣間見た話


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面白い本を読んだ。

内容が、と言うより書き方が。

人はこうやってスピリチュアルにハマるのか…と、

その原理を少し想像することができたと思う。

自己啓発とスピリチュアルの境界線

Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)の契約をしていると、

普段なら読まないような本をつい読んでしまう。

メリットは思わぬ発見があるかも知れないこと。

デメリットは時間が有限であることだ。

限られた貴重な読書時間。

能動的に自分の読みたい本を読む方が濃密な読書体験になるのは間違いない。

私にとってKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)で本を読むことは、

TwitterのTLをぼんやり眺めている体験にとてもよく似ている。

これはもちろんサービスが悪いのではなく、

それを上手く使いこなせない私のレベルが低いだけのこと。

今回の2ヶ月無料体験でそれを学べたので、

無事本契約前に解約手続きをすることになった。

 

話が逸れたが、とにかく今回のKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)無料体験で得たものの一つを書き残しておく。

引き寄せの法則」って聞くと、なんだか胡散臭い感じがしませんか?

私はします。ガッツリします。

でもこの本は面白かったよ。

2もあってそちらもKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)の対象だったので、続けて読んでしまった。

そもそも「引き寄せの法則」とはなんなのか?

これについてはウィキペディアがわかりやすい。

19世紀アメリカ合衆国で始まったキリスト教における一種の異端的宗教・霊性運動の潮流ニューソートにおける、

ポジティブな思考が良い経験を、ネガティブな思考が悪い経験を、人生にもたらすという信念であり、

科学という視点から見れば疑似科学である。

人とその思考は「純粋なエネルギー」で出来ており、同種のエネルギーが同種のエネルギーを引き寄せるプロセスが存在すると信じ、そのプロセスに沿うことで、人は健康、富、人間関係を向上させることができると考える。

引き寄せの法則を裏付ける実証的な科学的根拠はなく、疑似科学であると広く考えられている。

引き寄せの法則 - Wikipedia

なるほど。

ついでにもう一つ。

疑似科学」について。

科学的で事実に基づいていると主張しているにもかかわらず、科学的方法と相容れない言明・信念・行為のことである。

似非科学(えせかがく)や偽科学(にせかがく)などとも呼ばれる。

疑似科学は、矛盾、誇張、反証不可能な主張、確証バイアスへの依存、他の専門家による評価への開放性の欠如、仮説形成時の体系的実践の欠如、および疑似科学的仮説が実験的に否定された後も長期間に渡って信奉されていることなどを特徴とすることが多い。

疑似科学 - Wikipedia

ここで重要なのは、「科学的根拠は無い」ということだ。

けれどこの説明文を読む限り、私が思っていた「引き寄せの法則」ほど胡散臭さは感じない。

それはなぜなのか。

引き寄せの法則」のイメージ

元々私の中にあった「引き寄せの法則」のイメージは、上述のものとは少し違う。

「スピリチュアル界隈の方々」が声を大にして主張している、

引き寄せの法則

「私は大金を手に入れた!」とか

「私は素敵なパートナーを手に入れた!」とか

「私は成功を手に入れた!」とか。

そういうやつ。

いかにも怪しくて胡散臭くて根拠が無さそうな…。

いや、根拠が無さそうな主張はある意味で正解なわけだよね。

そもそも引き寄せの法則疑似科学と認められているのだから。

では、その必要以上な怪しさは一体どこから来るのだろう??

引き寄せの法則」の曲解

もちろんスピリチュアル系の教祖様たちは、

引き寄せの法則を本気で捻じ曲げて解釈しているわけではない。

信者たちを惹き寄せるためにわざと捻じ曲げたり捏造したりしているわけだ。

ところが信者たちは教祖様と違う。

捻じ曲げられたり捏造されたものを本気で信じている。

では教祖様は、一体どうやってそれらを信者に信じ込ませたのだろう??

 

ウィキペディアに書かれている、

ポジティブな思考が良い経験を、ネガティブな思考が悪い経験を、人生にもたらすという信念」について。

この一文だけを読むと、科学的根拠がないにも関わらず、胡散臭くもない。

いや、言葉をもっと細かく分解していくと、(科学的かはわからないが)根拠はあるような気がする。

同じ場面に遭遇しても、

ポジティブな思考とネガティブな思考では次の行動が変わる。

行動に変化が起これば、

それによって相手や環境の反応にも違いが現れ、

結果が変わる(可能性が高い)。

つまりこの引き寄せの法則真っ赤な嘘というわけではない。

ここが重要なポイントだ。

嘘に真実を少し混ぜる。

それによって信憑性が増す手口は、

昔から詐欺師が愛用している王道パターンなのだから。

もう一つのポイントは言葉選び

本書を読んでいて気づいたことがある。

内容はつまならないわけではないのに、時々私を白けさせるキーワードが出てくる。

恐らくはこのキーワードがポイントで、境目なのだ。

 

私は自己啓発本を読むのが好きだ。

小説の次に多く読んでいるジャンルかもしれない。

読んでいる感覚としては、小説とあまり変わらず。

自己を啓発するためというよりはエンタメ…というか、娯楽に近いのだ。

小説の中の登場所人物の人生を眺めるのと、

自己啓発本の筆者の人生を眺めるのはどこか似ている。

とにかく「自分以外の人生」を知れることが読書の醍醐味だ。

本書「ふしぎな村の村長の教え」も、小説のように物語形式で進んでいく。

私が楽しめる要素が詰まった本だと言える。

 

そんな私を初っ端から白けさせたキーワードを2つ紹介しよう。

それは、

 

 

 

宇 宙

 

 

エ ネ ル ギ ー

 

だ!

 

( ゚д゚)ポカーン

 

 

自己啓発から抽象度を上げていくとスピリチュアルになる

これは視座の話ではない。

自己啓発で視座の抽象度を上げたところで、

それはどこまで行っても自己啓発でしかなない。

抽象度を上げるのは説明文の言葉だ。

伝え方の問題だ。

ポジティブな思考が良い経験を、ネガティブな思考が悪い経験を、人生にもたらすという信念」について、

私は先程、具体的に自分の解釈を書いた。

言葉を掘り下げ、具体度をより上げる。

「ポジティブな思考」から、「良い経験」に辿り着くまでに何が起こるのか。

拙いけれど一応考えた。

 

ところがスピリチュアルではこれと真逆のことをする。

 

「ポジティブな思考」を「エネルギー状態」と言い換え、

「良い経験」に辿り着くのは「宇宙が反応している」から

ということになる。

科学ではないが化学らしい。

 

なるほど、センスあるなw

 

ロジカル・シンキングが苦手で理解の浅い私にもわかる。

まるでロジカルではない。

ロジカルを蹴り飛ばし、

抽象度を極限まで高めて、

宇宙にまで辿り着く。

これがスピリチュアルだ。

そして「極限まで高めた抽象度」を「神秘的」という言葉で表現しているのだと悟ってしまった2022年、初夏。

今年は暑い夏になりそうだ。

スピリチュアルに傾倒する人は何かにすがりたい人

スピリチュアルに傾倒したり、

ねずみ講みたいなビジネスにハマったり、

謎の自称メンターを崇拝したり。

そういう子達が私の周囲にもいるのだが、

彼女たちは皆似たような空気をまとっている。

現実と理想のギャップに苦しみ、その差を認めることができないのだ。

「具体的な言葉」は彼女たちにとって都合が悪く、

「抽象的(を極めた神秘的)な言葉」は彼女たちにとって心地良い。

だから心地良い方へどんどん傾倒してしまうのだろう。

これの解決策はたったの1つで、「認める」ことだ。

現実と理想のギャップを自分で認め、

差を埋めるために必要な物事を具体的に理解し、

具体的に行動すること。

極限まで極めてしまった抽象度を下げるしかない。

その第一歩が「認める」ということだ。

そしてこればかりは、自分にしかできないことだ。

他者がいくら言葉で説き伏せようと、本人が認めなければ何も始まらない。

私は今日も、自分の友人に思いを馳せている。

宇宙とつながるより、少しは内省してほしい。

 

この本の面白いところは「具体と抽象を行き来する」ことだ。

興味のある人は読んでみてほしい。

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そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

お疲れ様でした!(3773文字)