Daydream

全ては泡沫のごとく、ただ溶けて消えていくだけ。。。

伊坂幸太郎さんの『殺し屋シリーズ』既刊本読破したので読む順番と感想をまとめた


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貴方がまだこのシリーズを読んでないなら読むといい。

面白いからとりあえず読むといい。

ハリウッドで映画化されるくらいには面白いから読むといい。

読んだら感想を語り合いたいですお願いします。

新作バンザイ。

伊坂幸太郎さんの“殺し屋シリーズ”読破

職場の先輩に勧められて読み始めたシリーズ。

やっと全部読み終わりました。

話題に登ったキッカケは、マリアビートルがハリウッドで映画化されたこと。

「(映画はともかく)原作の小説は面白いから読んでみて!」と。

信頼する先輩が勧める本なら面白いに決まっているのです。

※本シリーズは第三作目まで、現在Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)対象本です。会員の方にはKindle版をおすすめ致します。対象本は随時変更されるため、購入前にご自身でお確かめください※

第一作目『グラスホッパー』

そもそもの物語の始まり…と言っていいのかはわからない。

本シリーズは連作でありながら、ストーリが繋がっているわけではないから。

だからグラスホッパー以外の本から読み始めても内容的には問題がない。

それでも私は順番通りに読むことをおすすめします。

なぜならどの作品も同じ(殺し屋)界隈の話なので、

前作のエピソードが次作の中で噂話として出てきたりする。

その仕掛けは順番通りに読んだ読者だけが楽しめる特権だと思うのです。

折角なら作者のサービスを100%受け取って、

1文字も逃すことなく楽しみたい。

 

主人公は鈴木という殺し屋でもなんでもない普通の男。

妻が事故死したのをキッカケに、

違法薬物を販売する悪徳会社・フロイラインに入社する。

そしてある日“押し屋”の“仕事”を目撃してしまい、(殺し屋)界隈に巻き込まれてゆく…

面白いのは、鈴木が関わる部分は物語のほんの一部でであるということ。

影で複雑に絡み合う人間関係から目が離せない。

こういう群像劇っぽいの、伊坂幸太郎さんの得意分野なんだろうか。

昨年読んだ『ラッシュライフ』を思い出した。

第二作目『マリアビートル』

今年昨年ハリウッドで映画化された大本命。

さすがに面白い(映画は知らん)。

これは…クローズド・サークルもどき?

いや、そもそもミステリーではないけどw

トリックはなく殺し屋は読者の目の前でサクッと殺すww

新幹線に乗り合わせた殺し屋たちのお話で、

一作目の『グラスホッパー』とは毛色の違う構成になっている。

 

私は蜜柑と檸檬が好きです!

 

最後まで私に衝撃をくれてありがとう…と伝えたい。

殺し屋がやることと言えば殺すことで、

そんな人達が複数名、新幹線(盛岡行きの「はやて」)に詰め込まれたら…

まぁ想像通りの結果になるよね。

木村の両親も結構好きなキャラだった。

あと、何気に槿(あさがお)はいい仕事したよね。

いつもさり気なくいい仕事してる。好き。

第三作目『AX-アックス-』

これまた前2作品とは少し違った構成。

凄いね伊坂さん。

読者を飽きさせない仕掛けがいつも沢山詰まっている。

短編連作の扱いなのかな??

とは言え1冊まとめて読めば短編感はあまりない。

今回も同じように(殺し屋)界隈の話ではあるものの、

視点はあまり移り変わらず恐妻家の“兜”がメイン。

殺し屋を辞めたい殺し屋のお話。

殺し屋って職業は転職や退職って概念がないから大変だなぁ…と。

しかし前作『マリアビートル』を読む限り、無事に隠居してる殺し屋もいるわけで。

どうやら隠居も不可能ではないらしい。

息子の話はちょっとドキドキしつつ、最後はスッキリさせてくれるのとても良かった。

第四作目『777 トリプルセブン』

“他人と比べた時点で、不幸は始まる”

幸運の象徴である不運な虫さんが帰ってきました。

今回は『マリアビートル』の続編的な立ち位置でありつつ、前作が未読でも十分に楽しめる作品(ストーリーは独立)。

しかしながらやはり順番通りに読むのが最善と私は思います。

本作の舞台は高級ホテル。

1棟の建物に沢山の業者が大集結。

あっちもこっちもお祭り騒ぎで目が離せず、あっという間に読み抜けてしまいました。

主観と客観で不幸と幸運の評価がひっくり返るの、真理すぎた。

そして「忘れられない」というのは発狂しても不思議じゃないくらいには地獄だと思うの私だけ?

少なくとも私だったら生きてはいけない。

人生なんて、忘れたいことの積み重ねでしかないので。

殺し屋シリーズまとめ

伊坂さんの小説はとても面白くて、その面白さは決して抽象的な概念ではない。

緻密で多彩な群像劇。

登場人物の数が多く、その人間関係は複雑に絡み合っている。

何気ない会話が、後に大きな意味を持つことも多い。

 

【バタフライ効果】という言葉がある。

些細な事象が巡り巡って後に予期せぬ大きな事象につながっていく、という意味だ。

伊坂作品はこの言葉を確実に表現し、読者に突きつけてくる。

前半では様々な仕掛けをばらまいて、時には読者が痺れを切らすほど回り道をする。

そして後半ではテンポよく綺麗に仕掛けを回収し、

物語があるべき場所へと収束していく。

だからこそ読後感がスッキリしてとてもいい。

殺し屋たちが仕事をして登場人物がどんどん死んでいくのに、謎の爽快感があるw

私が感じた本シリーズの印象はそんな感じであった。

サクッと読めるので気軽に手が出せるエンタメ小説。

未読の方はぜひ読んでみて。

そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

お疲れ様でした!

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