子供が見ている世界と大人が見ている世界は明らかに違う。
自分の親とわかり合えないことを悟った時。
それは同時に、全てを諦めた時でもある。
あの悲しさと悔しさと絶望を、なんだか久しぶりに思い出した。
“囁き”シリーズは第二弾の方が面白い
【“囁き”シリーズ】と名のついた、一応シリーズ物ではあるものの…
話は一切繋がっていませんでした。
読むまで知らなかったw
登場人物やストーリーに一切の関連なし(今の所)。
【主人公の、忘れるほど古い記憶に事件のヒントがある】という設定の共通があるのみでした。
暗闇の囁き あらすじとストーリー
黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。
大学四年生の悠木拓也は、『卒論の勉強のため』と、小説家である伯父が所有する別荘を訪れる。
東京から車で四時間近くかかる、烏裂野(うさきの)。
山奥の、湖のほとりにある別荘。
十二歳の夏休み以来の訪れであった。
山間を車で走っていると、森の中から突然道路に人影が飛び出してくる。
拓也は慌てて急ブレーキを踏んだ。
飛び出してきたのは、日本人離れした美しい外見の、少年。しかも兄弟。
麻堵(まど)と美矢(みや)だった。
どうやら『あっちゃん』を含め、3人で遊んでいたらしいのだが、見当たらない『あっちゃん』について尋ねてみても、はぐらからされしまう。
拓也は2人の少年を、車で送り届けることにした。
山奥という閉鎖空間
密室というわけではないものの、山奥というのは中々の閉鎖空間です。
そこで起こる連続怪死事件。
麻堵と美矢の家庭教師として、住み込みで屋敷で働く滝川遙佳を通じ、拓也も少しずつ巻き込まれていく。
一つは、雪女の黒髪。
一つは、人狼の目玉。
一つは、魔女の爪。
一つは、人魚の涙。
全てが揃う時、一体何が起こるのか。
厳しすぎる父親と、精神を病んだ母親。
まるで別世界の存在のような、美しいけれど不思議な少年たち。
怯える使用人。
屋敷内の人間が、誰一人語りたがらない『あっちゃん』とは何者なのか。
すべての真相が明らかになった時、そこには哀しい物語がありました。
ミステリーなんだけど、読み終わったときになんだか少し悲しい気持ちになりました。
ある意味では本書も、【後味の悪い小説】と言えるのではないかな。
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れさまでした!