Daydream

全ては泡沫のごとく、ただ溶けて消えていくだけ。。。

【リカ】は想像以上にガチでヤベー女だった(著者:五十嵐貴久)


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“出会い系で出会った女がストーカー化”

【リカ】という小説の内容を一言で述べるならこうだ。

これだけで、小説を読まずともある程度内容は想像できる。

そんな小説をわざわざ読むのは果たして本当に面白いのか…?

そう思って、私自身が最初は【リカ】にあまり興味を持てなかった。

でも、違った。

私の想像力は乏しいのかも知れない…。

ごめんなさいm(_ _)m

【リカ】、想像の斜め上を行く狂人で面白かった(恐ろしかった)です。

【リカ】恐ろしすぎだろw

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 妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決して怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。

“常軌を逸した手段”と一言で片付けてしまっているけどさ。

常軌を逸しすぎだから。

これはあくまでもフィクション(小説)で、現実にはこんな女はいないと願いたい。

あと、グロいのが苦手な人は読まない方がいい。

【リカ】のあらすじと本間という男

主人公は本間隆雄(ほんまたかお)42歳。

平々凡々なサラリーマン。妻子あり。

友人(大学の後輩)である坂井にすすめられ、出会い系サイトにハマってしまう。

この本間という男が………

まぁ見事に絵に書いたようなつまらない男なのである。

個人的には嫌いなタイプw

最初は出会い系の話をする坂井をちょっと小馬鹿にしたように見ていたくせに、

結局は自分自身もハマってしまう。

妻と子どもを愛していると言いながら、出会い系で必死に女漁り。

自分の会社員生活(昇進が決まった)と火遊び(出会い系)については、以下のように語っている。

会社でも、同僚と比較して素晴らしい営業成績を上げたとか、特別な業績を残したということはないが、致命的な失敗や大きな損害を会社に与えたことはない。私はそういうタイプの人間だ。

家庭においても、職場においても、逸脱することなくあくまでも常識的な道を淡々と歩んでいく。それが間違ってるとは思わないが、それだけでいいのだろうかと思ったのだ。

(中略)

それはそれで仕方のないことだが、このまま流されてそうなってしまうのは嫌だった。少しだけ、抵抗してみたかった。 

なんかこう…ただ流されて生きてきただけ、みたいな。

大した才能もなく、ろくにリスクを取ることもなく、視野も価値観の幅も常識の範囲も全てが狭い。

気づいたらいつの間にか42歳になっていて、不完全燃焼感だけが残る人生。

それでいて出会い系サイトでメールのやり取りが増えると、今度はドヤ顔でメールの文面から相手の女を分析し始める。

とにかくしょーもない男なのである。

と・こ・ろ・が。

こんなにもしょーもなくて個人的には嫌いなタイプの男のはずなのに、

その代償が『リカ』かと思うと……

ちょっと罰がデカすぎやしませんかね?(笑)

本間さんがあまりにも絵に書いたような平凡すぎるつまらない男なので、

その分『リカ』の頭のおかしさが際立ちます。

書き足された《エピローグ》

文庫本には最後にエピローグがあるのだが、どうやらこれは単行本までには無かったものらしい。

個人的には素晴らしい加筆をしたのだなぁと思う。

このエピローグがあるのとないのでは物語の印象が随分違う。

私はある方が好き。

あと、私は小説のラストって白黒ハッキリつけて欲しい派。

ふんわり終わるのやめてほしい。

読者の想像に任せるのやめてほしい。

余韻を残すための書き方なのかも知れないけど、個人的には不完全燃焼というか気持ち悪さしか残らないし、『面白かった』という感想もどこかへ消え失せる。

そういう意味でもこの【リカ】という小説は、私好みのとても良い作品であった。

『やるからには徹底的にやる』という『リカ』のスタンス、嫌いじゃないww

 

尚、2021年6月18日から【リカ ~自称28歳の純愛モンスター~】として映画が公開されているらしいですが、どうなんだろ……w

 

そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

お疲れさまでした!