Daydream

全ては泡沫のごとく、ただ溶けて消えていくだけ。。。

上橋菜穂子さんの「守り人シリーズ」の読む順番とあらすじ、感想をまとめた


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「守り人シリーズ」ついに読みきりました。

面白すぎんか?てゆーかこれが児童文学ってマジ??

大人が読んでも没入できる高品質なファンタジーだったのですが??

▲順番だけ知りたい人は目次参照▲

1.『精霊の守り人』

人の世と精霊たちの世が混在する世界で、女用心棒バルサの活躍を描く、シリーズ第1作。

異界の精霊の卵を身体に宿したために、実の父である帝や、異界の魔物から命をねらわれる新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを、バルサが守る。

 

主人公のバルサは女用心棒で30歳。

なんだかもうこれだけで…

え?児童文学なの…?? なんて。

私は強い女性の主人公が好きなのでバルサの存在だけでハマれる要素をだいぶ満たしています。

イレーナシリーズを思い出しつつ…

バルサの方がより大人で成熟しているので安定感があります。

精霊の卵を宿してしまったチャグム皇子と出会い、否応なしに皇族の陰謀に巻き込まれていく…

児童文学だから読みやすいのに、世界観やキャラクターは作り込まれているので大人もハマれる。

絶妙なバランスです。


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臨場感があってAudible(オーディブル)版とても良かった

2.『闇の守り人』

数十年ぶりに生まれ故郷のカンバル王国にもどったバルサは、幼い自分を救い、育てた義父のジグロが、卑劣な反逆者にされていたことを知る。

ジグロの汚名をすすごうとする中で、バルサは己の過去と向き合うことになる。

 

読むたびに思うのは、

これ、ホントに児童文学…?? ってこと。笑

バルサと養父ジグロの故郷の物語。

1作目よりさらに面白い。

幼い頃に王位争いの陰謀に巻き込まれて逃げ出した故国に、大人になったバルサが帰郷する物語。

権力者が自分に都合の良い物語を民衆に流布するというのは現実においてもありがちだけど、物語を曲げられた当事者はたまったものではないな…と。

しかしながら結末がとても良かったです。

終盤は読むのやめられなくなって睡眠削ってしまいました。

死者との向き合い方について考えさせられました。

 

 

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3.『夢の守り人』

人の夢を必要とする異界の〈花〉。

バルサの幼なじみのタンダは、その〈花〉に魂を奪われ人鬼と化してしまう。

バルサはタンダをとりもどすことができるのか。

大呪術師トロガイの過去も明かされる、シリーズ第3作。

 

過去2作よりは若干軽め(物理)なのもあり、あっという間に読み終わる。

なんだか読者まで花の夢を見させれるような不思議であり美しい作品。

トロガイの過去も明かされ、呪術師も人間なんだなぁと当たり前のことを思ったり。

バルサがチャグムを想うように、チャグムもバルサたちに焦がれいて胸を打たれる。

幸せすぎる花の夢に、意志の力で抗える人なんているんだろうか…

特に、もう失くして(亡くして)しまったものは絶対に戻ってこないので、

夢の威力は絶大だし、生きることより夢を選んでしまう気持ちは痛いほど理解できる。

「失くす」というのはそれほどに辛い。

チャグムがいつか立派な国王になり、国を導く姿が見たくなった。

あとバルサ、こんなにもタンダのことを大切に思っているのに、いまいちタンダにちゃんと伝わりきってないの歯痒い。

3.夢の守り人
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4.『虚空の旅人』

海にのぞむ隣国サンガルに招かれた、新ヨゴ皇国の皇太子チャグム。

しかし、異界からの使いがあらわれたことで、王宮は不安と恐怖につつまれる。

呪いと陰謀のなかで奔走するチャグムを描く、シリーズ第4作。

皇太子チャグムを主人公に、壮大な歴史絵巻が始まりまる。

 

今回はチャグム皇子が隣国に出かけて行くお話。

バルサの登場は無しだけど、チャグム皇子の中でバルサの存在が大き過ぎて、存在感だけはとてもある笑

ここから少し、物語の趣向が変わって行くのかな?

これまでは人物を中心に周囲の世界が見えていたけど、チャグム皇子が成長して公務が広がれば、世界全体が見えるようになっていく?

バルサと関わったことで、俗世を知ってしまったチャグム皇子。

きっと現帝とは違う方法で国を動かして行くんだろうなと楽しみです。

シュガの苦労は絶えないことでしょう笑


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5.『神の守り人 上 来訪編』

バルサが人買いから助けた美少女アスラは、ロタ王国をゆるがす、ある特別な〈力〉を秘めていた。

その〈力〉をもとめ、王家の隠密たちが動きだす…。

せまりくる追っ手から、アスラを連れバルサは逃げる。

 

再びバルサがメインの物語に戻りテンションが上ります。

しかも懐かしの護衛業務。いや、業務ではないけど。

チャグム皇子の時とは違い、今回はバルサの意志で揉め事に首を突っ込む形。

チャグム皇子と出会う前のバルサを知らないけれど、きっと彼がバルサに与えた影響は大きいのだろうなと想像が膨らみます。

強くなければ他者に手を差し伸べることなどできない。

バルサとタンダのリスクを引き受ける覚悟に脱帽しました。

二人の強い絆と厚い信頼関係に胸が温まります。

5.神の守り人 上 来訪編
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6.『神の守り人 下 帰還編』

ロタ王家に仕える隠密シハナの罠にはまったバルサ。

一方、アスラはみずからのふるう〈力〉を恐れつつも、心は残酷な神へと近づいていく。

待ち受ける運命から、バルサはアスラを救えるのか。

 

分不相応な力を手に入れてしまったとき、人はどのようになってしまうのか。

持て余す。暴走する。悦に浸る。振りかざす。傲慢になる。

どんな道を通っても、きっと最後には狂っていく。

価値観が、自分が、人生が、狂っていく。

アスラが幸せになれるといいなと思いました。

6.神の守り人 下 帰還編

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7.『蒼路の旅人』

対岸の大国であるタルシュ帝国の勢力が増し、不安がたかまる新ヨゴ皇国。

皇太子チャグムは、罠と知りながら、祖父とともに海軍を率いて、タルシュの圧力がかかるサンガル王国の救援にむかう。

 

再びチャグム皇子サイドの物語。

バルサの登場はなくて少し寂しいけれど、チャグム皇子が段々と大人になりかけていてこちらの物語も読みごたえがある。

帝は「神の子」であると本気で信じられている国。

「身分が高い」とはどういうことなのか痛感させられる。

それは生きているだけであまりに重く、時には望まない犠牲の上にも立ち、生き続けなければいけないということだ。

幸福とは言い難く、壮絶な人生なのは間違いない。

チャグム皇子本人も、私たち読者も、そのことを痛切に感じさせれる巻だった。

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8.『天と地の守り人 第一部 ロタ王国編』

タルシュ帝国からの航海の途中で、行方不明となった皇子チャグムを探すため、バルサはロタ王国へむかう。

一方、北の大陸には、タルシュ帝国の侵攻がせまっていた。

 

国を背負ってたった一人で海に飛び込んだチャグムを探すため、バルサが旅立つ。

本編の最終章、面白すぎる。

なんだかタンダが不憫な役回り多い気がして、報われることを祈るばかり。

ここから三部作の始まりだけど、第一部の区切り方が美しかった。

いくら物語の途中とはいえ、中途半端な状態で一冊が区切られる構成は好きではないので。

 


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9.『天と地の守り人 第二部 サンガル王国編』

国々の存亡をかけ、チャグムとバルサはカンバル王国へむかう。

しかし、カンバル王の側近には、タルシュ帝国と内通しているものがいた。

 

久しぶりの、バルサとチャグムの二人旅。

チャグムが思い描いていたものは、そう簡単には手に入らなかった。

それでも諦めることなく、命がけで新ヨゴ皇国のために奮闘するチャグムの成長が凄まじい。

こんな風にボロボロになっても、人は自分の意志を貫けるものだろうか。

チャグムはどんどん大人になっていく。大人になるしかなくなっていく。

それは素晴らしい成長である反面、背負うものが重すぎる人生だと思う。

早くも1巻が懐かしい。

タルシュ帝国との戦争が始まり、これまでには無かった物々しい空気で物語が進んでいく。


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10.『天と地の守り人 第三部 新ヨゴ皇国編』

「守り人」シリーズ最終章、完結編。

隣国との同盟のために奔走したチャグムは、ようやく祖国・新ヨゴ皇国にたどり着く。

帰還したバルサ、チャグムを待っていたものとは……。

 

ついにここまで……

シリーズがここまで進んで、過去最高に面白くて目が離せず。

物語がどうやって終わっていくのか、読みながらずっと思いを馳せてきた。

特に帝とチャグムの父子関係がどうなるのか、ずっと気になっていた。

すべてが都合よくまとまるわけではなく、だからといって希望がないわけでもなく、滅びるものは滅び、生まれるべきものは生まれたという感じがした。

壮大なファンタジー小説、最高です。


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11.『流れ行く者 守り人短編集』

王のたくらみによって父を殺された少女バルサ、そして彼女を救った父の親友ジグロ。

故国をすてた二人の旅路を描く守り人短編集。

 

バルサとタンダの幼い頃が描かれていてとてもほっこりした。

状況的には、あまりほっこりできるものでもないけど……

本編ではすでに大人で、幼馴染として当たり前のように関係が結ばれている二人。

大人になってもお互いを尊重し、大切にしている背景がよくわかる。

収録作品

  1. 浮き籾
  2. ラフラ<賭博師>
  3. 流れ行く者
  4. 寒のふるまい

ハズレなしの素晴らしい一冊だったけれど、「ラフラ<賭博師>」が特に好き。

本編で出てきた「バルサがゴイ(サイコロ)で好きな目を出せる」ってやつの原体験が読めます。

少し謎めいていて、少し切ない。心に沁みる物語。


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12.『炎路を行く者 守り人作品集』

タルシュ国の密偵アラユタン・ヒュウゴの少年時代を描く「炎路の旅人」と、女用心棒バルサの少女時代を描いた「十五の我には」の中編2編を収録。

 

理不尽は誰の身にもふりかかる。

それは一見平等なようで、ものすごく不平等な人生を想う。

本編で「訳あり」っぽく描かれていたヒュウゴの過去が、案の定というか思った以上に重すぎた。

戦争を仕掛ける側の国だって、末端の国民は被害者でしかない。

戦争に踏み出すことを決断する人間は、自分の命も家族の命も、かける必要がないから決断できる。


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13.『風と行く者 守人外伝』

まだ少女だったバルサが、ジグロとともに護衛をしたサダン・タラム〈風の楽人〉を、20年後に再び護衛する縁からはじまる、長編物語。

 

自分の命と、貫きたい信念と、他者の犠牲。

秤にかけて、選ばなくてはいけないときもある。

後悔せず進むために必要なものが、自分の中にあるのかどうか。

 

過去の話とその後の話を両方楽しめる贅沢な外伝。

バルサがタンダのことを「私の連れ」とナチュラルに言うのがとてもいい。好き。


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「守人シリーズ」を読み抜けての感想

「壮大なファンタジーを読まされたあとの余韻」を堪能できるシリーズでした。

最高すぎる。

児童書とは思えないほど設定が細かく作り込まれていて、独特の言語もクセになる。

登場人物たちもなんだか生々しい。

人の良いところも悪いところも等しく描かれている。

壮大なファンタジーには、壮大なファンタジーからしか接種できない栄養がある。

いい意味で、「しばらくファンタジーは読まなくていいな」と思う。

余韻に浸っていたいんだ。

面白くて、前のめりに読んで、世界観に浸れて、余韻が残る。

そんな上質なファンタジーでした。

 

そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。

お疲れ様でした!

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