久しぶりに興味関心をそそられる本に出会った。
愛情の伝え方を、5つの方法に分類するという内容の本。
夫婦関係がメインで取り上げられているものの、
未婚の私でもかなり参考になる内容だったのでご紹介。
自分とパートナーの愛の一次言語が何かを知る
※2022/06/30現在Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)対象本のため、会員の方にはKindle版をおすすめ致します。対象本は随時変更されるため、購入前にご自身でお確かめください※
著者はアメリカで結婚カウンセラーをしているゲーリー・チャップマン氏。
日本語で“結婚カウンセラー”と聞くとちょっと怪しい感じがするけれども、
人類学を専攻している方なので、決してスピリチュアル的な内容ではないことを先に申し述べておく。
本書では、愛情表現を言語に例えて5つに分類している。
私達が日本語を母国語として話しているように、
愛情表現にも5種類の言語があると言う。
人それぞれ、愛情表現の一次言語(母国語)が存在する。
そして何よりも重要なのが、
相手(自分のパートナー)の一次言語を知り、
相手の一次言語で愛情表現をすることだ。
ここが超重要ポイント。
パートナーが英語を母国語(一次言語)としているのに、
私が日本語で一生懸命話しかけても通じないのと同じで、
愛情表現も相手の言語に合わせなければ通じることはない。
うっかり自分の一次言語を使って愛情を伝えてはいけないのである。
愛情を伝える5つの言語
本書で分類されている5つの言語は以下の通り。
- 肯定的な言葉
- クオリティ・タイム
- 贈り物
- サービス行為
- 身体的なタッチ
自分の一次言語がどれなのか、
パートナーの一次言語がどれなのか。
まずはそこを知ることが最初の一歩になる。
1の『肯定的な言葉』はそのままで、とにかく言葉で表現されることを喜ぶ人だ。
褒め言葉、愛の告白、好きなところや尊敬しているところなどを言葉で聞くと、愛情のタンクが満たされるタイプの人。
2の『クオリティ・タイム』は、相手と向き合う時間を重要視すること。
テレビを見ながら相手の問いかけに生返事……などはNG行為。
きちんと向き合い目を見て会話するなど、相手の注意が自分に注がれることで愛情のタンクが満たされるタイプの人。
3の『贈り物』はプレゼントで喜ぶ人。
これは値段の大小は関係なく、細やかなものでも、手作りのものでも、とにかく相手からの贈り物で愛情のタンクが満たされるタイプの人。
4の『サービス行為』は、行動で尽くされて喜ぶ人。
家事を手伝ってもらったり、自分がすることを手伝ってもらったり。
相手に行動で尽くされて愛情のタンクが満たされるタイプの人。
5の『身体的なタッチ』は、ボディタッチを好む人。
性行為に限らず、キスをしたり、手を繋いだり、髪に触れたり…。
相手と身体的に接触することで愛情のタンクが満たされるタイプの人。
あなたの愛の一次言語はどれだろうか?
そしてあなたのパートナーの愛の一次言語はどれだろうか??
自分の中にある愛情のタンクは、
自分の一次言語で愛を伝えて貰うと満たされる。
逆に自分の一次言語が無視されると、
タンクが空のままになり関係が上手くいかなくなるとのこと。
例えば一次言語が『肯定的な言葉』の人に対して、
いくら『贈り物』を渡し続けても相手は中々満たされない。
このすれ違いが長く続くと関係が上手くいかなくなるというのだ。
自分の一次言語が『贈り物』の場合、
相手に愛情を伝える時もつい『贈り物』で示してしまいそうになるが、
相手の一次言語は大抵別のものであるため、それだと中々上手くいかない。
本書には様々な夫婦の事例が掲載されている。
これまでにどういう結婚生活を送り、なぜ結婚カウンセラーに相談する羽目になったのか?
夫婦関係は修復できるのか?それとも離婚するべきなのか?
アメリカの夫婦も、
日本の夫婦と悩みは似たようなものらしく、
読んでいてもこれらが海外の事例であると実感することはあまりない(宗教が絡む部分は除く)。
ちなみに男性の一次言語については、
性欲のせいで5の『身体的タッチ』と勘違いされやすいが、
実は別の表現が一次言語だったというパターンが多いらしい。
また、大半の夫婦は一次言語が別である場合が多いとのこと。
本書でも一組だけ一次言語が同じだった夫婦の事例が紹介されているけれど、
それは珍しいケースだと書き添えられていた。
長年の私の悩みを解決してくれた一冊
私自身がリア友によくされる質問。
「どうしたら一人のパートナーと長く付き合えるの?」だ。
これはめちゃくちゃ質問されるし、毎回返答に窮する。
パートナーとの付き合いが4年を超える頃からよく質問されるようになり、
付き合いが10年を軽く超えた今では数え切れないほどこの問いを投げかけられてきた。
しかしながらロジカル・シンキングを超絶苦手分野とする私には、
この質問に理屈で対抗するのは非常に困難を極める。
A①:いつの間にか10年の月日が流れてた…(バカっぽい)
A②:むしろなんでそんなに喧嘩ばっかりしてるの…?(マウントっぽい)
質問者を納得させられるようなまともな答えが何一つ思い浮かばない。
男女問わず、私にこの質問をしてくる人は
- パートナーと喧嘩した
- パートナーと別れた
- 離婚がチラつくくらい夫婦関係が悪化中
このどれかに該当している人がほとんどなので、
できれば建設的な意見を提供したいのだけれど…
控えめに言っても私の脳内は全くロジカルでなく、
『他人に何かを説明する』ことに圧倒的不向きなのである。
これまでもどかしい思いを何度したことか。
しかしながら今後はこの本を例に、少しはわかりやすく説明できそうな気がしている。
私と私のパートナーは、まさしくこの5つの言語のうち、
相手の一次言語を理解し、お互いが相手の言語で愛情表現をするよう心掛けている。
これは「本書を読む前から5つの言語を知っていた」という意味ではない。
相手の一次言語を相手から自然に学んでいただけのこと。
ちなみに私の一次言語は圧倒的に4のサービス行為だ。
パートナーは私のために積極的に料理をしてくれる。
片付けもしてくれる。
何かを手伝ってほしいと頼めば必ず「いいよ」と言ってくれるし、
私が遠く離れた場所にいても手間を惜しまず会いに来てくれる。
これらの行動は恋愛初期なら当然のようにできても、
浮かれた気持ちが収まると途端に億劫になる。
私のパートナーも億劫に思っているはずだけど、
私のために必要だと思い、億劫を乗り越えて行動してくれる。
本書によれば、
この『相手のために面倒を顧みず選択し、行動すること』が恋愛を超えた愛なのだと言う。
私自身もパートナーの一次言語については理解しているつもりだし、
そこを尊重する行動を選択している。
本書を読んで驚いたのは、私たちの一次言語(と思われるもの)がそれぞれちゃんとこの5つの中にあったことだ。
今のところ反論の余地がない。
パートナーとの関係にお悩みの方がいれば、
試しに是非読んでみてほしい。
思わぬ発見があるかも知れない。
また、本の中には確認テストも載っているので、
自分や相手の一次言語がハッキリわからない人はテストで確認してみると面白いかも?
そんな感じで、本日ワタクシからは以上でございます。
お疲れ様でした!(3165文字)